5年生の体育では、リレーの学習が始まりました。
リレーの学習で大切にしているのは、チームのタイムにこだわることです。
リレーは陸上運動の1つです。陸上運動の醍醐味は、自らの記録を伸ばすためにどのように努力し、どんな工夫ができるか、そして記録が伸びたときの達成感や喜びにあると考えています。
ところが、子どもたちの頭に浮かびがちなのは「他の色組にどうやって勝つか」です。
もちろん、勝ち負けも大切です。
『小学校学習指導要領体育編』にも、5・6年生の陸上運動の目標の1つに「運動に積極的に取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,勝敗を受け入れたり,仲間の考えや取組を認めたり,場や用具の安全に気を配ったりすること。」とあるように、勝ち負けを受け入れることも高学年には必要な要素です。
しかし、この勝ち負けだけにこだわっていては力が伸びないのも事実です。
たまたま今回組んだチームで、それも中央小学校の友だちの中だけでついた着順にどれほどの重要性があるでしょうか。
次にチームのメンバーが変わったら、他の小学校の子たちと競争してみたら・・・・なんて視野を広げて考えてみると、その時々の勝敗の価値がいかに一時的なものかに気づくことができるかと思います。
「友だちに勝ちたい!前の子を追い抜きたい!」という思いが技能を成長させるモチベーションになることももちろんあります。
一方で「1番になれて満足」、「もう前の色組には追いつけないから全力じゃなくていいや」と思ってしまうと、それ以上の向上はなくなってしまいます。
そこで、体育の授業ではずっと「自分たちのタイムの伸び」にこだわり続けています。
最初に何の練習もせずに計ったタイムから、学習を通してどれだけタイムを伸ばせるかが目標です。
その目標に向けて努力する過程に学びがあると考えています。
途中でぶっちぎりの先頭に立った子も、後ろの子に追い抜かれた子も、1番目にゴールする子も、最後に1人で走っている子も、みんな自分のチームのタイムを1秒でも縮めるために懸命に走ります。どんな状況でも友だちを全力で応援します。
タイムを縮めるという目標のを達成するための過程に知識技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力の成長があります。
運動会でも着順だけの得点ではなく、タイムの伸び率に応じた加点も検討中です。
5年生の課題はまずはバトンパス。ここからどれだけ上手になるのかが楽しみです^^